トップ二葉山トンネル特集 > 2006年10月3日 経済環境委員会


2006年10月3日 経済環境委員会 藤井とし子議員の質問(抜粋)

 2番目に高速5号線計画と二葉山の環境保全というタイトルで出させていただいていますけれども、一般質問の中で私が質問したその答弁の中で、二葉山の環境のことについて少し質問しているんですけれども、その答弁の中で、この高速5号線というものは二葉山のシリブカガシとかそういう植生については軽微な、軽微というか、そんなに影響はないというような答弁だったんですけれども、経済環境委員会の中で1つ確認をさせていただきたいことがありますので、質問させていただきます。

 森林というのは本当に今、非常に価値が言われておるわけなんですけれども、地球温暖化防止、これも世界中で大きな課題であるし、広島市でも森林保全についてはしっかりやっていただいていると思うんですが、この高速5号線のトンネルが計画されている二葉山のシリブカガシという貴重なブナの群落があるということなんですが、この森についての価値をどのように見ておいでなのか、お聞かせください。

(環境アセスメント担当課長)
 シリブカガシは温かい土地、いわゆる暖地に生える常緑の広葉樹でございまして、ドングリの木の仲間でございます。市域では沿岸部と島しょ部を中心に広く分布しております。しかし、シリブカガシが優占する群落としましては、瀬戸内海周辺地域から少数の報告があるだけでございまして、二葉山のようなシリブカガシが群生しているという所はまれでございます。
 全国的に見ても貴重なものでございます。そのため、平成12年に策定いたしました広島市のレッドデータブックにおきましては、二葉山のシイモチ・シリブカガシ群集を絶滅危ぐの群落に選定しておりまして、消失のおそれのある保全上重要な群落であるというふうにしております。

 全国でも貴重なというところでは、私も調べたところでは、もう広さにおいては世界で有数の面積を占めるんだそうですけれども、1位が広島でこの二葉山、2番目が京都市1ヘクタール、3位が岡山の0.8ヘクタールというような結果も出ているほど、非常に貴重な森林だということなんですが、この面積も7.5ヘクタールと全国一という、非常に大きな森なんですが、もう一つ貴重な種類として、オガタマの木というのも確認をされているんだそうです。
 こういった森林の保全というのは、どこが責任を持つんでしょうか。

(環境アセスメント担当課長)
 広島市全体の緑の保全ということになりますと、「緑の基本計画」というのを緑化推進部の方で作っておりますけれども、各局が当然そういった計画に対しまして、策定する際にはいろんな意見を出します。我々の局としても当然、環境保全上の立場から出しておりますけれども、そういったので全部の意見を集約して、市としての保全計画を作っておりますので、それを進行管理していくのは当然そちらの部局の方になろうかと思います。

 部局的にどこかというとなかなかこの問題、とてもやりにくい問題なんですけれども、本当に広島市の森林を保全をするにはもう全体でやらないとなかなか保全が進まないんじゃないかなというのをこの間、聞きながら思ったんですけれども、「緑の基本計画」というのが平成13年に出されたわけなんですけれども、一方でこういう森を守れ、水を守れと言いながら、一方では開発のトンネルの計画があるという、そういう中で、じゃあどこが一番森林を守っていくのかというところでは、私もなかなか疑問がわくんです。

 このトンネルを造ったら、そのシリブカガシの森にどういった影響を与えるのかということが非常に分からない点なんですが、いろいろ環境影響評価というのもまとめられておりますが、これは平成11年の3月ですよね。その後にですけれども、実際に1号線の馬木トンネルで実際に地盤沈下とか井戸水がかれたとか、そういう影響が出ているわけなんですよね。
 そういう意味で本当に5号線で二葉山にトンネルを抜いたら、本当にあそこの森林保全ができるのかという点で、環境を守る人たちなんかは非常に心配をされているわけなんですけれども、私が1つ気になったのは、環境影響評価の中ではこういったことが評価をどうされているのかということですけれども、お願いします。

(環境アセスメント担当課長)
 高速5号線の方は、国のアセスメント要綱に基づきまして、先ほどおっしゃいましたように平成11年3月に環境影響評価書の方ができておりまして、シリブカガシの分布地域をトンネルの構造として通過することですとか、あるいは施工に伴う消失面積を最小限にとどめるということ、あるいはシリブカガシ群落が再生されるようなのり面緑化を行うということから、事業の実施による影響は少ないというふうに予測されております。

 また、平成15年の10月になりますけれども、事業者である広島高速道路公社が、植物の専門家等の学識経験者による委員会を設置しておりますけれども、そちらの方の調査にありまして、トンネル工事が二葉山の自然環境に与える影響について調査を実施しております。その報告書の中では、トンネル工事によるシリブカガシ群落への影響は軽微であるけれども、シリブカガシ群落が再生されるようなのり面緑化をしなさいということですとか、工事前、工事中、工事後におきましてもちゃんと追跡調査をしてくださいというふうな報告が提出されております。

 その環境影響評価の中では軽微だという判断がされておるということなんですけれども、実際に本当にそうなのかというのは、非常に私はこれは疑問だと思うんです。馬木のトンネルも含めてね。ただ、その中で1つ気になったことが、住民の意見を聴くというところが環境影響評価ではあるんですが、その中で評価にかかわった委員の方が、あるところで言われていることなんですが、「地域住民の意見を聴かなければならないというのが環境影響評価にはあるんですが、その中に、古くからあそこの山は霊山と言われ、慕われ、敬われ、全国的に珍しいシリブカガシの原生林でもある二葉山にトンネルを通すことは公共の福祉とは言えず、土の中を掘るから自然破壊につながらないというのはき弁である。自然に対してい敬の念と尊厳の念を持ち、これを子々孫々まで保存することが我々の勇気ある決断である」という意見が出されたそうです。それに対して委員会では、それは回答はされなかったそうです。

 だから、こういった環境への評価が軽微だからとか、あと植生をするからいいとか、そういう問題ではなく、あそこの歴史ある山をどうするか、文化財としてどうするかという判断を、環境影響評価だけではできないと思うんですよね。だから、そこら辺の判断をじゃあどこでするのかということなんですが、建設委員会でも・・・。どこでするのかが私はそれが一番疑問になってくるわけなんですけれども、あとは住民の意見を本当に聴いているのかという点でも非常に疑問です。
 この間も度々陳情など、ここをトンネルを通さないでくれという陳情もたくさん出ているということなんですし、こういった声にこたえて、歴史的、文化的な価値、また森林保全、生態系の保存というまちづくりから、改めて幅広く市民の意見を聴くべきではないかと思うんですけれども、環境局から市民に言うのか、それはちょっと分からないんですけれども、そういった点でもし御意見があればお聞かせ願いたいんですけれども。

(環境アセスメント担当課長)
 この高速5号線につきましては、広島市の方がアセスメントで審査をしておりませんので、是非という意味ではまた別な次元のところで都市計画決定等もされて、市の内部でもゴーということになっている事業でございますので、我々の環境保全のあくまでも立場からだけお答えをさせていただければと思うんですけれども。
 先ほども申しましたように、二葉山のシリブカガシ群落というのは国内で最大の貴重な群落であるということから、事業実施に当たりましては環境への影響をできるだけ回避、低減するための環境保全措置が適切に講じられるように、今後とも関係部局と連絡を図りながら、適切な指導を行ってまいりたい、そういうふうに考えております。

 県が環境アセスメントをやったということで、市は余りそこではもう言えない段階だということだというふうに聞いたんですけれども、やはりここの二葉山にはものすごい神社・仏閣が下にたくさんあったりとか、幾つかあるんですけれども、そういう歴史・文化もしっかり保存する立場で考えて、この事業全体を再度私は見直ししてほしいということを要望して、この件は終わります。

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